やはり快適、防音マンション｜メリットと見落としてはいけない注意点

音楽演奏をなされる方にとって、周囲に迷惑をかけずに好きな時に楽器演奏をできるというのは理想の環境でしょう。

その為の選択肢はいくつかあり、中でも最も良い条件と思われるのが防音マンションです。

他の防音設備と防音マンションの比較、防音マンションを選ぶ時の注意点を紹介していこうと思います。

他の防音設備との比較

レンタルスタジオ

楽器の練習用スペースから、レコーディングに対応できるものまで多様なスタジオが用意されています。

音響のセッティングなども考えられていますので、演奏空間としては最高のものを体験できるでしょう。

思いついたときに、すぐ利用できればいいのですが、多くのスタジオでは前もって予約を入れるシステムになります。

利用料はリーズナブルに抑えられていますので、音楽のプロ仕様のセッティングを一度体感してみるのも面白いでしょう。

ただし楽器練習用に頻繁に利用すると料金はかなり高くなり、スタジオの場所が自宅から離れていると移動時間、楽器運搬の手間もかかってきます。

防音ブース

普通の住宅に設置する、一人から数人が入れる広さのブースに防音機能を付けたものです。

自宅に設置するので好きな時間に利用できますが、楽器練習用と割り切った方がよいでしょう。

防音ブースの問題点として、反響音、換気問題などがあります。

楽器演奏を目的とした防音ブースであれば、反響音もある程度考慮されていますが、物理的に狭いためにどうしても限界があります。

また防音性能を上げることは換気性能とトレードオフになりますので換気の問題もでてきます。

防音性と換気性の問題は、すべての防音設備に関わってきますが、防音ブースの場合は換気先が室内になるので、より対処法を考える必要があります。

防音マンションのメリット

レンタルスタジオ、防音ユニット、それぞれ一長一短があり、その問題を高いレベルで解決しているのが防音マンションです。

自宅ですので時間の問題や、移動、楽器運搬の手間はなく、居住空間に丸ごと防音処理を施しているので反響音などの演奏空間として必要な部分も調整できます。

ただ、一口に防音マンションといいましてもその内容には大きな差があるので、そこを含めた注意点を以下に説明していきます。

防音マンション、見落としてはいけない注意点

購入費、賃貸料は割高か？

防音マンションはそのオプション価値がありますので、通常の物件に比べ、購入費、賃貸料が高くなります。東京都内の物件ですと、平均賃料のおおむね二割から三割増しでしょうか。

ただ、楽器演奏に耐えうる防音ブースは百数十万円いたしますし、長期の利用を考えるとスタジオ利用料と比較しても、二~三割増しならそこまで割高ではないと考えます。

楽器演奏OKの物件だが、演奏時間に制限がないか？

物件情報に楽器演奏がOKと表示されている物件が、一般的に「楽器可物件」「楽器可賃貸」といわれるものになります。しかし、実際に物件を視察・内覧してみるとその演奏時間に制限が設けられている防音マンションがあります。

防音マンションとはいえ、その防音能力には差があり、防音性能が低い場合はこのように制限がかかることもあります。

自由な時間に演奏できないというデメリットと共に、他の入居者の演奏が自室に届く可能性もあります。

物件内容や契約書にこのような注意事項の記載がないこともあるので、契約前に必ずオーナーの確認をしておくようにましょう。

そのマンションは最初から防音マンションとして作られたものか、後から防音工事を施した防音マンションなのか？

マンションに後から防音ユニットを設置することも可能ですが、その場合、既設の室内寸法よりユニット内の高さ内寸は物理的に狭くなります。

最初から防音マンションとして施工されたものはその辺りも考慮されており、十分なスペースが確保されており、ピアノなどの搬入経路も計算されています。また、防音性能を表す※Dr値が保証されている場合もあります。

※Dr値：防音性能を示す数値で数値分の音量dBを減衰する効果がある。Dr30-35辺りからDr60超えの高性能防音まで防音マンションでも性能にかなりの差がある。

演奏空間としてだけではなく、居住空間として考慮した場合、内装の広さは重要なファクターです。

また、スペースに余裕がありますと演奏空間としての自由度も上がります。

内装が広く壁吊り下げ式吸音ボードを利用した、音響環境を自分で調整できるサウンドハーモニーに対応している防音物件もありますので、快適な住環境と高度な音楽環境を両立したい方にはおすすめします。

まとめ

結論として、最初から防音マンションとしてつくられた物件が最も音楽演奏に適しているといえるでしょう。

フレキシブルな吸音ボード設置に対応していれば、自分好みの音響空間を創造することも可能です。

ただ、現実問題といたしまして防音マンションは物件として非常に少なく、関東圏でも空き待ち状態、大阪府兵庫県でもかなり少ないのが現状です。

割高ではないとはいえマンション購入、賃貸と高額なものとなりますので、ポイント押さえた物件選びの参考になれましたら光栄です。